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HSBC香港口座開設と日本の国家財政破綻懸念

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旅行から帰ってくると、国会が動かないとかで、国の短期資金繰りが厳しいというようなニュースを読みました。

それでも別に大騒ぎになっていないようですし、日本の状況は出国前と特に変わりはありません。


今回の記事では日本の国家財政懸念破たん懸念とそれを動機とするHSBC香港の口座など、海外口座開設の是非について考えてみたいと思います。

例えば、シンガポールREITに投資するのであれば、海外銀行・証券口座の開設なんていうめんどうくさいことはしなくても、アイザワ証券で投資することもできるのです。

それでも、私が開設したのはなぜかというと、①保険的な意味合い、②投資機会の拡大と海外投資活動についての習熟、③その他の利便があるからです

今回の記事では上記①の動機に関連して述べてみます。

日本の国家財政は破綻する。と市場から仮に認識されてしまった場合、どういうことが起こるでしょうか。

日本国債の底堅い需要の大きな要因だと思いますが、BIS規制上リスクアセットとカウントされないので、銀行にとっては下手に貸し出しを増やしてリスクアセットを積み増すくらいなら、国債を買ったほうが有利なのです。どうせ低金利ですから対してさやも抜けませんしそもそも資金需要がない。したがって銀行はどんどん国債残高を増やしていきました。

ところが、日本国債が一時の(今も)ギリシャのように償還の見込みがない。と市場から認識されてしまうと、銀行の保有する国債は一気に不良債権化することになります。国債が暴落するとともに、銀行は大量に国債を保有しているのでバランスシートに大きな穴が開き、銀行はお互いを信用しなくなり資金の循環が著しく滞ることになります。信用収縮のはじまりです。下手したら本当につぶれてしまう銀行が出てくるでしょう。

銀行は国債の処分を急ぎ、投げが投げを呼ぶということになります。ちょうどギリシャで起きたことと同じことが起こります。こうなってしまうとしばらく国内の銀行は機能しないでしょうし、当然、通貨の信認もなくなりますから円は持っているだけで購買力、資産価値がどんどん低下する。ということになります。

こういったことを懸念している人は、日本政府の信用力と密接に結び付いた邦銀から海外銀行に口座を開設し、やばくなりそうになったら資金を逃がす。という行動をとることになります。今年の6月にギリシャで選挙がありましたが、ギリシャ国民はみな銀行から資金を引き出し、海外銀行に口座を持っている人はそこに資金を逃避させたというニュースがありました。それと同じことをしようというわけです。

また、こうした観点にたつと、資金を日本の資産に対して長期で固定することになる日本の不動産を保有するということも非常に危険な行為ということになるでしょう。不動産については、人口減少も長期的な需要低迷要因です。移民政策が大きくかわり、日本に大量に外国人労働者が流入してくるような事態になれば別ですが、難しいでしょうね。


さて、少々脱線しましたが、問題となるのは「市場から国債が償還されないという認識を持たれるか否か」ということです。

日本政府の債務残高が1000兆円に迫り(地方政府を合わせるとすでに超えているとの指摘もあり)、よく言われているように、1400兆円と言われる日本人の民間貯蓄でこれをファイナンスしているので現状は大丈夫だが、近いうちに日本人の貯蓄では賄えなくなるので、外国に国債を引き受けてもわらなければならず、そうなると財政を健全化しないと国債の買い手がいなくなるので国債は暴落し、ギリシャのようになってしまう。ということでしょう。果たしてそのようなことが起こるのでしょうか。

ここで、日本財政破綻しない論者の根拠である民間の貯蓄の増減について考えてみましょう。貯蓄が減少していって国債を賄うことができないレベルになれば、国家財政破綻しない論者のロジックは崩れることになります。

マクロ経済学では、GDP=民間消費+民間投資+政府支出+純輸出(輸出ー輸入)となると習いますし、この式は国民所得統計上の定義です。

この式を変形すると、(GDP-民間消費-民間投資ー政府支出)=純輸出(輸出ー輸入)となります。この式の左辺は国内の総生産から支出した分を差し引いたものであり、マクロ経済上の余剰、すなわち貯蓄。ということになります。

要するに、国全体の貯蓄=輸出ー輸入ということになります。

ということは、将来の貿易・サービス収支が赤字となりつづければ、貯蓄が徐々に取り崩されていき、最終的には国全体の貯蓄で国債を賄えなくなるということになりますね。

輸出については、企業の国際競争力がどんどん失われてしまっており、企業はどんどん海外に出て行ってしまっています。いったん海外で工場などの生産体制を構築してしまった企業が再び日本に戻ってくることはあるでしょうか?
人口減少とともに縮小する日本の消費市場の近くにわざわざ生産体制を戻すということは経済合理性にはあわないと考えます。これは輸出の減少要因です。

輸入はどうでしょうか。最大の輸入品である原油ですが、これは今後も価格が高止まりすると思われます。太陽光などのエネルギーはしばらく原油の代替とはならないでしょうし、経済発展をするために新興国の原油需要は強まるでしょう。さらに悪いことに日本では原発事故が起きてしまいました。これは世界的に火力需要が高まる要因として働くでしょう。一方で、企業が国内から出ていき、人口が減少していくので、エネルギー需要は現在よりも小さくなるかもしれませんので輸入の急激な増加はないかもしれません。

結論は、国債を買い支える貯蓄の増減は輸出ー輸入(貿易・サービス収支)で決まる。輸出は減少していくが、輸入が今後増加していくかどうかは不明。ただし輸出の減少が大きくおそらく貿易・サービス収支は赤字が定着する。したがって、国内貯蓄は減少していき、国債を買い支える資金は減少に向かい、やがて本当に国債危機が起き、しばらく銀行は機能不全に陥り、円の信認は失われる。よって、海外に銀行口座をもっておき、まさかに備えたほうがよい。ということになります。



こういう本も立ち読みしてみたのですが、アルゼンチンが国家破綻後経済が急回復したのでむしろ国家破綻したほうが経済にとってよいとの趣旨でした。私の知る限りアルゼンチンは海外からの資金調達は不可能で大幅な通貨安に見舞われたと認識しておりますが、原油や食料を輸入に頼る日本で国家破綻したら国民はとてつもない生活苦に苦しむはずなので、私にはまったく説得力がありませんでした。





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Author:ASIA REIT LABO
J-REIT投資で資産が3分の1になったことも5倍になったことも経験したREIT(不動産投資信託)愛好家。マレーシア訪問をきっかけにアジアのREIT(不動産投資信託)が今後重要な資産運用手段になると確信し、研究を開始。投資家のジム・ロジャースに憧れている証券アナリスト

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