地震リスクを考える

昨年の東日本大震災は、日本人だけでなく、世界の人々にとっても地震の恐ろしさを改めて認識させた出来事だったと思いますが、今日は世界各地の地震リスクについて考えてみたいと思います。

今日のヤフーのニュースに、東京の不動産やREITの投資家にとって気が気ではないニュースがありました。

引用
東京都心直下にM7級活断層か
　東京都心の直下に活断層の可能性がある断層が存在するとの調査結果を、民間の技術者や首都大学東京などの共同研究チームがまとめた。マグニチュード（Ｍ）７級の地震を起こす恐れがあり、本格的な調査が必要だとしている。埼玉県熊谷市で開かれる日本第四紀学会で２０日、発表する。(産経新聞)
引用終了

１９２３年に発生した関東大震災からまもなく９０年が経過しようとしており、また発生する可能性を指摘している科学者もいると聞きます。最近の建物は免震構造がしっかりしているとはいえ、やはり首都直下型の地震がきたら、建物にもそれなりに被害はでるのではないでしょうか。

実際、J-REITのいくつかの銘柄でも昨年の決算では、昨年の地震を原因とした特損を計上しておりますし、シンガポールREITでも、日本のマンションに投資しているSAIZEN　REITが特損を計上しております。

そもそも地震はなぜ起こるのかと考えますと、地球を覆っているプレートが接しているところでプレート同士がせめぎあうことで地震が発生します。プレート内部にあるところでも地震は発生しますが、プレートの境界線のところが、より多く地震が発生するのです。

次の地図は、世界のプレートの分布図です。出典はUSGS（U.S Geological Survey）




この地図でもわかるように、日本は北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピンプレート、ユーラシアプレートと多くのプレートの境界線に位置しており、上で説明したメカニズムにより地震が頻発しやすい国なのです。プレート内部の国がまったく地震がないということではないようですが、プレートの境界線にある地域よりは地震の発生頻度はずっと少なくなります。

地震リスクの観点からも日本の不動産に集中投資することはリスクが高いことだと認識したいと思います。

インドネシアはオーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界線にあるので地震リスクはそれなりにありそうですが、シンガポールやマレーシア、香港という地域はユーラシアプレートの内部に位置しており、日本よりは地震が少ない地域だろうと思われます。

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