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日本の不動産とシンガポールの不動産、どちらに長期投資しますか?

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日本のREITですが、トップリートという銘柄があります。この銘柄が一昨日に7%安という急落になりました。日本のREITは最近底堅いのですがその中での急落です。この急落の原因は主要テナントの住友金属工業の退去が原因です。

住友金属工業は新日本製鉄と合併しますが、おそらく、合併にともなう管理機能の重複を避けるためと思います。
私はこの出来事を日本のオフィスREITに投資するリスクの象徴的な出来事ととらえます。トップリートは大きなスペースを埋めるためのリーシングに苦労することになるでしょう。その結果は、賃貸料、ひいては分配金の減少です。

なぜ、新日鉄と住金が合併するのかということまで考えると、規模を大きくしてグローバル市場、特に成長するアジア市場で戦うためであり、合併により管理部門をスリム化するためでしょう。これは、日本の企業がどんどん日本から脱出して海外に活路を求めているというトレンドの中のひとつの出来事だと思います。

日本の企業が海外進出し、結果として日本のオフィス市場が低迷するという現象の背景は、円高だから、人口の高齢化と減少により国内市場が縮小していくからという理由がすぐ思いつきますが、不動産投資の有望性という観点からもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

さて、タイトルのシンガポールの不動産と日本の不動産、どちらに投資しますか。という問いですが、経済的利益を追求するということならば、私はシンガポールに投資します。

人口が減少して高齢化が進むということでは、日本もシンガポールも同じですが、私がシンガポールを支持する理由は、人や企業が集まる国の不動産のほうが価値が高いからです。ちょうど、トラフィックが集まるWEBサイトが価値が高いサイトであるのと同じように。

シンガポールは国の立地や政策、国民性に至るまで、トラフィックを集める仕組みが日本より優れていると私は思います。国土が狭く、供給に限度があるということも希少価値があります。

トラフィックを集めるということを詳しくみていくと、立地、文化、政策、為替金融と大きく4つの要因を上げることができます。

経済成長の中心は、東アジアからアジアの西へ移動していき、ますますシンガポールの立地の優位性が際立つ

21世紀初頭の経済成長の中心地は中国だったと思います。今後もしばらくはそうでしょうが、中国の人口動態も日本と同様に高齢化しつつあり、経済成長の中心地はやがて中国より西のアジアに移っていくでしょう。日本は中国に近いという立地のメリットを生かしていましたが、今後は今までよりもそのメリットが薄れてくる可能性が高いと思います。

シンガポールは世界人口2位のインド、同じく4位のインドネシアという平均人口の若い人口大国に加えて、同じように若い人口が多いタイ、ベトナム、そして最後のフロンティアとして注目されているミャンマーなど、今後高成長が期待される市場が近隣にあります。これらの国々の経済発展には資源が必要ですが、資源大国のオーストラリアにも近いです。これらの国々との距離的な近さは輸送費が少なくて済むということであり、シンガポールを中継点とした物流はますます増加していくでしょう。そしてモノの移動にはヒトやカネの移動もついてきます。

人の移動を促すには交通網の発達が欠かせませんが、世界的にサービスの評判が高いナショナルフラッグのシンガポール航空に加えて、LCCの普及率も日本とは比べるべくもありません。所得水準の低いアジア諸国とシンガポールをつなぐインフラとしてLCCネットワークの充実はシンガポールにとって強い武器でしょう。

さらに、MICEを政府として推進しています。MICEとは国際会議などのイベントなどのことですが、アジア市場を対象にした見本市が盛んにシンガポールでは開催されていますし。近年の観光施設の充実により観光客の増加は政府の想定を上回るペースです。ユニクロや無印良品がシンガポールに進出しているのもシンガポールのアジア市場のショーケースとしての機能を期待してのことでしょう。

英語と中国語、多民族文化の許容性

シンガポールの共通語は英語、そして華僑が建国した国であることから中国語も通じます。現在の2大経済大国であるアメリカと中国の言語が通じることは、ビジネス上のメリットとして計り知れないものがあるでしょう。

言葉については、日本人は英語が苦手ということは定着している感があります。私も人のことは言えませんが、これは、グローバル市場を相手にするこれからの経済においては大きなハンディキャップでしょう。

また、シンガポールでは、日本ではマイナーな存在のヒンズー教の寺院やイスラム教のモスクが観光名所になっています。私はこれを観光名所としてとらえるだけでなく、シンガポールの多民族の文化の許容性としてとらえます。

イスラム教国家はオイルマネーで潤う中東の石油産出国だけでなく人口の多い国が多く、経済成長で近年注目されていますが、イスラム教徒の精神のよりどころであるモスクが目立つところにあるということは、イスラム教徒のビジネスマンにとって安心してビジネスに取り組める環境といえるのではないでしょうか。

イスラム教は断食など戒律が厳しいことでも知られますが、シンガポールのこのような環境は、イスラム教徒にとって日本よりは居心地がいいと感じるでしょう。

また、シンガポールの隣国はイスラム教国家の先進国であるマレーシアであり、イスラム教国家の経済力が強まるにつれ、シンガポールもその恩恵を受ける立地であると言えます。

イスラム教やヒンズー教の浸透という意味では、日本は考えるまでもありません。

法人税の安さ、FTAなどの制度の充実

最近の日本経済新聞「私の履歴書」は、キッコーマンの茂木名誉会長の記事ですが、今朝の記事では、シンガポール北部のウッドランドに工場を作って進出した経緯が書かれています。記事によると、以下のメリットがあってシンガポールに進出したとあります。

・アジアの中では外資規制が緩く、100%出資の現地法人を設立できる。
・政治経済が安定していてカントリーリスクが低い
・国民の教育水準が高く良質の労働力が確保できる
・自由港なので輸入に関税がかからない。
・インフラが整備されている。

それに加えて、シンガポールの税制についてはジェトロの「シンガポールのビジネス優遇税制等」が詳しいですが、

シンガポールの法人税は最大で17%です。実効税率はそれより低くなります。日本では実効税率が40%です。税コストの低さも魅力でしょう。それに加えて、アジア統括本部の誘致に積極的で、優遇税制措置を講じています。

関税、非関税障壁を取り除く、各国とのFTAの締結も積極的に推進しており、18地域、24か国と結んでいます。シンガポールの製造業にとっては、このFTAによって、関税・非関税障壁の少ない貿易を行う地域が多いというメリットを享受できます。このことも、シンガポールへの進出を促すインセンティブになります。

一方、日本が締結しているFTAは、外務省「日本の経済連携協定(EPA)の現状と主要国・地域の取組状況」によれば、現状13か国にとどまります。

金融・為替

アジアの金融のハブとしてシンガポールは金融制度、資本市場の厚みもあります。このブログのテーマであるREITについても、アジアのREITセンターとしての地位を築こうという意思が垣間見られるのはこの記事に書いたとおりです。

さらに、金融政策の自由度の余地とそれに伴う為替政策についても日本よりシンガポールに軍配があがると思います。為替は製造業にとって収益を大きく左右する要因ですが、日本とシンガポールの状況はどう違うのでしょうか。

私は日銀の金融政策は緩和が足りないと考えており、結果的に円高を招いていると批判的ではありますが、一方で緩和余地が小さいことも理解できます。短期金利は長年ゼロのままであり、長期金利も非常に低水準です。金利水準で考えれば確かに緩和余地は乏しいでしょう。

さらに、日本の国家債務は非常に巨額であり、市場に日銀が国家債務をファイナンスしていると認識されることによる通貨信認の低下、制御不能なインフレを招くという懸念もあながち間違いではないと思います。したがって緩和政策が難しいのも理解できます。

一方で、シンガポールの長期金利は1.5%程度です。シンガポールも低金利でシンガポールドル高ということで悩んでいるとは思いますが、日本ほど厳しい状況はなく、インフレ率が高いので緩和は容易ではないと思いますがまだ緩和余地があり、円のように一方的に通貨高にはならないのではないかと思います。このことも、シンガポール進出を促すのではないでしょうか。

以上、地理的立地の優位性、文化的な土壌、政策を考えれば、長期投資となりがちな不動産投資を行うとすれば、日本とシンガポールのどちらが有望か。答えは出るのではないでしょうか。

気になる為替ですが、シンガポールドルは、アメリカドルやユーロ他、他の国の通貨と比較して対円でそれほど減価が見られません。詳しくはこの記事をご覧ください。さらに現在の円高が割高に評価されているとすれば、為替の評価益も期待できます。

アジア有数の不動産市場である日本市場をこれ以上衰退させないためにも、政府には内外の資本が日本が魅力的と思われる政策を遂行してもらいたいと思います。ただでさえ、言語や文化的なハンディキャップを背負っているのですから。




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Author:ASIA REIT LABO
J-REIT投資で資産が3分の1になったことも5倍になったことも経験したREIT(不動産投資信託)愛好家。マレーシア訪問をきっかけにアジアのREIT(不動産投資信託)が今後重要な資産運用手段になると確信し、研究を開始。投資家のジム・ロジャースに憧れている証券アナリスト

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