Sabana REIT

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今回の投稿では、Sabana REITを取り上げたいと思います。



概要
Sabana　REITは、シンガポールの産業用不動産に投資するREITです。このREITの特徴は、イスラムREITであり、シャリーアというイスラム金融の規則に従った運用をしているということです。規模的には総資産が10億ドル未満の小型に分類します。
イスラムREITではありますが、イスラム教徒でなくても投資することは可能なようです。
このREITは、シンガポールREITの唯一のイスラムREITであり、シンガポール唯一のイスラム教徒の投資資金の受け皿というポジションを狙っていると思われます。

イスラム金融
　オイルマネーの成長やイスラム教徒の多い南アジアから中東圏の人口増大によりイスラム金融は近年非常に成長しており、イスラム教国の先進国といわれるマレーシアはイスラム金融のハブのポジションを狙っているといわれております。
　このREITはシャリーアというイスラム法に則った基準で運用されており、イスラム法にかなった運用をしているかを判定するシャリーアアドバイザーを設置しています。
REITはシャリーア基準に適格な業務から収益を得ているテナントから収益を得なければなりません。シャリーア適格ではない業務とは、ゲーム関連、ハラルでない製品の製造、たばこ、エンターテイメント関連業務です。

総評
業種の分散もそれなりにきいており、財務も健全なわりには割安なREITだと思います。問題はスポンサーの信用度と規模が小さいということでしょうか。強力なスポンサーとは思えず、金融危機などの危機のときにスポンサーの力量がためされるREITでしょう。

財務分析
各指標の意味については、こちらをご覧ください。

（割安度）
　どの指標を見ても割安です。

（収益性）
　収益性は高いです。負債コストも低く抑えられております。　　

（財務健全性）
　健全な水準です。
　
為替リスクについてはこちらをご覧ください。



株価パフォーマンス
緑の線がベンチマーク、青の線がSabanaです



スポンサー
スポンサーはFreight Link Express、Blackwood Investment、運用会社は、Tarian Capital Partnersです。

Freight Link Expressは、シンガポールのロジスティクス会社です。シンガポール市場に上場しています。売上は154.13百万シンガポールドル(2011年)であり、同じくREITのスポンサーであるロジスティクス会社のCWTの６％程度の売上の事業規模です。

Blackwood Investmentはアメリカの投資顧問会社です。

Tarian Capital Partnersはシンガポールの投資顧問会社のようです。

その他

各不動産の立地です。


ポートフォリオをみると、ハイテク、化学、倉庫、物流施設などが組み入れられている物件です。



テナントの業種を見ると、よく分散されておりますが、物流(19.2%)、通信、データセンター(16.1%)、電機(13%)が目立ちます。




上位１０位のテナントは下図のとおりです。City Developments lted（http://www.cdl.com.sg/app/cdl/index.xml）の子会社、City Developmentsはシンガポールの上場不動産会社です。
Freight Links Expressは、シンガポールの物流会社でこのREITのスポンサーです。
Utraco Greentechは建設機械の会社です。

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